モブサイコ100SSログ2

影山茂夫/霊幻新隆/影山律/エクボ/花沢輝気/徳川/神室真司/鈴木将/芹沢克也/島崎

影山茂夫

貴方は影山茂夫で『独り占め』をお題にして140文字SSを書いてください。
机の上に並んだ大量の牛乳瓶。
「これぜーんぶモブ君の分だから!」
満面の笑みでそう言うのは隣の席の子だ。
「昨日牛乳が好きだって言ってたから!」
喜んでくれるかな、みたいな感じでそわそわと僕を見る目がかわいい。
こ、こんなに飲めるかな…でも、
「あ、ありがとう!」

あなたが影山茂夫で書く本日の140字SSのお題は『私の道標』です
川沿いの道を蹴る足音が後ろから速いテンポで近づく。
「肉改~…ファイッ!」
「オーッ!」
学校からの帰り道を元気な掛け声が彩る。軽快に走る肉改部の一番後ろ、遅れて続くのは同じクラスのモブ君だ。
下校するの横をよろよろと通り過ぎる彼の背中は、いつだって輝いて見えた。

影山茂夫へのお題は『器用なのに言えない私と、不器用だから気付かない貴方』です。
並んで歩く達の指先は一歩踏み出す度あと数センチで触れ合いそうなぐらい近づくのに、いくら見つめてもモブ君はの視線の先に気付いてくれない。
一緒に帰れるだけで嬉しかったつもりだけど、どんどん欲が出てきてしまう。
「どうしたの?」
手を繋ぎたいって、から言えたら!

貴方は影山茂夫で『君をお買い上げ』をお題にして140文字SSを書いてください。
「この前犬川から聞いたんだけどモブ君時給300円で謎のバイトしてるんだって?」
「え、うん」
「そっか…本当にそうなんだ…ということは7200円出せばモブ君の一日をが独り占めできるという事か…」
何を言ってるのか分からなかったけど、彼女の目は恐ろしく真剣だった。

あなたが影山茂夫で書く本日の140字SSのお題は『私のパーソナルスペース』です
モブ君は猫みたいだとよく思う。それも、おとなしい黒猫。が落ち込んでいるときにするりと音もなく近付いて、そっと隣に座ってたたずむ。近すぎる距離には不安や居心地の悪さを覚えるものだけれど、彼の静かな存在は思わず肩を預けたくなる程に穏やかで、15cmの間も心地いいのだ。

霊幻新隆

あなたは『ミルクパズルが得意な』霊幻新隆のことを妄想してみてください。
絵も模様もない白一色の欠片たち。それらが1つずつ組合わさっていくのを眺める。
「すごい…こんなパズルあるんですね」
「ミルクパズルって言うんだよ。知らねーか?」
淡々とピースを嵌めていく霊幻さんの横顔はほんの少し得意気に見えた。この人、本当に謎の才能に溢れてるなあ。

あなたは『無表情でそわそわする』霊幻新隆のことを妄想してみてください。
「おい、霊幻お前さっきから貧乏揺すりうぜーぞ」
僕の肩あたりに浮かんでいたエクボが唐突にそう言って師匠を睨みつけた。
「あ?これはステップを踏んでんだよ」
「今踏む必要ねーだろ」
「お前には関係ねえ」
間髪入れずに言葉を返す師匠だけれど、どこか上の空に見える。
なんでだろうと思ったところでもうすぐお客さんが来る時間だということに気付いた。昨日も来た、綺麗で感じのいい女の人。除霊をしたお礼に何か持ってきてくれるらしい。普通にお代はもらったのに律儀な人だ。
師匠はいつもの涼しい顔だけど、実は待ち遠しくて仕方ないのかもしれない。

貴方は霊幻新隆で『貴方だけを見つめる』をお題にして140文字SSを書いてください。
耳触りの良い言葉を心地良いトーンで吐き出す事を生業としている貴方のその笑顔は、ソファの向かいに座る人々に平等に向けられる。を真っ直ぐに見つめるその瞳の鋭さも、その他大勢に向けるそれと大差無いのだろうか。
それでもは貴方だけを見つめていたいのだ。焦がれているから。

あなたは『口内炎ができて口数が減る』霊幻新隆のことを妄想してみてください。
なんだか今日の新隆さんは口数が少ない。が何か話しかけても「ああ」と短い相槌を打ったり頷くばかりで会話が続かなくて、なんだか心配になった。何か怒らせてしまったんだろうか。青い顔で必死に心当たりを探すに、彼はなんだか気まずそうな顔で口を開いた。
「口内炎痛くて」

貴方は霊幻新隆で『初恋の人でした。』をお題にして140文字SSを書いてください。
灰色の背広の背中を見上げるのが好きでした。時々かすかに香る煙草の匂いが好きでした。子供みたいな屁理屈を言うところが好きでした。くしゃりと笑う顔が好きでした。どれだけ感情をぶつけても大人の顔しか見せないところが嫌いでした。初めての恋でした。霊幻さんが、好きでした。

あなたは『頬をつねられてるのにニヤニヤしている』霊幻新隆のことを妄想してみてください。
「もうすぐクリスマスか…お前なんか予定あんの?」
昼下がり、霊幻がふいに口に出した言葉に思わず背筋を伸ばした。まさか、これはもしかして。
「…無い」
ドキドキしながらの返事をすると、彼はため息をついて新聞を広げる。
「そうか…羨ましいな」
「え?」
「せっかくの三連休だってのに俺はモブと一緒にイブとクリスマスにだけ現れるらしい霊を除霊しに行かなきゃいけなくてな。めんどくせえったらねーよ…って、なんだその顔」
もう一度深いため息をついた霊幻はを見て訝し気な顔をした後、その表情をゆっくりと薄ら笑いに変えた。
「…おいおいおい、もしかして俺がクリスマスのお誘いをすると期待したのか?」
「ち、ちがっ」
「嘘つけ」
「期待してない!」
「はいはい」
笑い含みの声に顔が熱くなるのを自覚して目の前の腹立たしい詐欺師の頬をつねった。頬が伸びてもニヤニヤと笑ったまま彼は言葉を続ける。
「まあお前が期待しててもしてなくても、そういうわけでクリスマスは会えないんだわ」
「あっそ!!」
「でもその後は年末まで暇だから」
「…は?」
「年は一緒に越せるぞ」
意地悪く笑う姿は憎らしいのにどうしようもなく嬉しくて、真っ赤な顔で押し黙ることしか出来なかった。

(クリスマスネタでした)

影山律

貴方は影山律で『雨も、悪くない』をお題にして140文字SSを書いてください。
嘘つきめ。
予測では降水率20%なんて言っていたくせに大雨の空を見上げてそう毒づいた。折り畳みの置き傘では絶対に濡れてしまうだろう。
ため息をついて傘を広げた所に肩を叩かれて後ろを振り向いた。
「ごめん、傘忘れたから入れて!」
一言で体温が上がる自分は現金だろうか。

あなたは『絶望するその人の手をとって慰めたい、「一緒にいる」って言いたい』影山律のことを妄想してみてください。
声も無く泣く姿を見て咄嗟に取った手はぞっとするほど冷たかった。
自分も彼女にとっての光となれるだろうか。兄が、自分を許してくれたように。
「一人じゃないって、知ってください」
涙に濡れた頬を拭う指は温もりを与えられているだろうか。
ただ必死に共にあれることを願った。

エクボ

貴方はエクボで『ふたりぼっち』をお題にして140文字SSを書いてください。
一体いつからこうして彷徨っているんだったか。いつ死んだのだったか。揺蕩う意識は確固とした存在を持たないと同じだ。
「よう、お前さんも一人か」
ぼんやりと夜空を見上げる背中にかけられた声に振り向くと緑色の霊体が浮かんでいた。人間霊、だろうか。頬の赤が暗闇に光る。
「地縛霊か?」
「…分からない」
成仏できない程の未練があった筈なのに、何も思い出せないのだ。そうか、と短く返す彼はの隣に寄って夜空を見上げる。
こんな出会いがあっても霊体同士ではすぐ隣の体温さえ感じられない。人に溢れたこの世界で、泣きたくなるくらいに孤独だった。

あなたがエクボで書く本日の140字SSのお題は『私があなたにしてあげられる事』です
神は信じる者に救いを与える。それならば、信じる者は神に何を返すのだろうか。
祈りだ。
きっとエクボが神だってそうじゃなくたって、なんの力も持たない人間であるが彼の為に出来ることなんて心から祈る事ぐらいなのだ。
垂れたこうべが、震える声が、希望に届きますように。

(最近の更新が辛い;;エクボ;;)

花沢輝気

貴方は花沢輝気で『チョコとかパフェとか、愛とか』をお題にして140文字SSを書いてください。
チョコパフェを頬張ってにっこり微笑む彼女の笑顔はとても幸せそうだ。緩む口元を甘い気持ちで眺める。
「テル君もどう?」
差し出されるロングスプーンの一掬いをぱくりと咥えると、濃厚な味が口に広がった。
「はー、甘いな」
「でしょ!」
「うん」
チョコも君も、僕の愛も。

花沢輝気へのお題は『好きだ、って言ったら逃げるくせに』です。
「本っ当にありがとう!助かりました」
自販機から飲み物を差し出す彼女に微笑みかける。
「勉強教えるぐらいどうってことないよ」
「飲み物奢るだけじゃ申し訳ないしなんでも言ってね!お礼するから」
なんでも、なんて嘘だろう。僕の本心を告げたらもう笑ってくれないくせに。

貴方は花沢輝気で『運命を感じろ!』をお題にして140文字SSを書いてください。
「やあ、また会ったね」
爽やかな笑顔のその人はを見て快活に手を上げた。
「いやあの…いや…流石におかしくないですか?これで10日間連続ですよね?」
「数えててくれたんだ!嬉しいな」
「いやそこじゃなくて」
イケメンの笑顔に騙されそうになる自分を必死に押しとどめた。

貴方は花沢輝気で『息の根止めて』をお題にして140文字SSを書いてください。
「なんか花沢君良い香りする」
気負うことなくすっと首元に顔を近づけられて思わず固まる。シャンプーかな、と呟いて彼女は離れた。
「あ、今ドキッとした?」
いたずらっぽい笑顔で彼女は僕の制服の上、胸の真ん中を人差し指でトンと突いた。
「心臓」
囁く甘い声に息が止まった。

あなたが花沢輝気で書く本日の140字SSのお題は『手の甲に口づけて』です
柔らかい茶色の髪はサラサラで、短く切られている今は男らしさを際立たせる。整った顔立ちの口元は爽やかだ。
「テルくんって、王子様みたい」
思わずそう呟くと、彼はの手を取った。
「じゃあ君はお姫様だ。姫よ、僕に貴方の手に口づける許しを」
見つめる瞳はひたすら甘い。

貴方は花沢輝気で『お代はキスでいいよ』をお題にして140文字SSを書いてください。
「本当にありがとう!なんてお礼すればいいか」
「じゃ、キスで!」
「…え?」
「ほっぺたにキスしてくれたらそれでいいよ」
「……」
思わずこちらに頬を向ける花沢君をチベットスナギツネのような顔で見てしまった。こやつ…イケメンだから何でも許されると思っているな…

貴方は花沢輝気で『No thank you』をお題にして140文字SSを書いてください。
「キスって……」
「口にじゃないんだし、それぐらい良いじゃないか」
ん、と尚も横顔を向ける花沢くんの頬を人差し指で突っつくと彼はうわ、と声をあげた。
頬のつぶれた間抜けな顔がおかしくてまで声をあげて笑った。かっこつけたさっきまでの顔より、こっちの方が好きだ。

(1個前のやつの続きで)

徳川

徳川(特にお題は無し)
ふと生徒会室の窓から外を見たら、手を繋いで下校するカップルが見えて死にたくなった。
「浮かれやがって…」
呻くを徳川がちらりと一瞥する。
「恋愛も立派な青春の過ごし方だ」
「意外…徳川、恋愛否定したりしないんだ」
「当たり前だろう。人間として自然な感情だ」
「確かに…」
「お前は交際者はいるのか」
「いない…恋すらしてない…」
「俺はどうだ」
さらりと言われた言葉に時が止まった。心臓が熱くなる。
「…そういう冗談言う人は好きじゃないなあ」
「俺もだ」
涼しい顔でそう返すから、胸の甘い疼きにさっきより呻きたくなった。

あなたが徳川で書く本日の140字SSのお題は『アンドロメダ姫』です
「夏と冬の大三角形は有名だが、秋の四辺形というのもあるのは知っているか?」
学校からの帰り道。まだ5時過ぎなのにすっかり暗くなった空を見上げて、ふいに徳川が言った。
「知らない…というか大三角形がどの星かも微妙」
「…お前に話した俺が馬鹿だったな」
ため息をつく横顔には呆れが見えた。
「四辺形にはアンドロメダ座α星が含まれている。…お前がアンドロメダなら俺はペルセウスだ、などと言ってもどうせ分からんのだろうな」
「もっとこう、日本昔話的な身近なもので例えてほしい…」
「…まあお前にはその方がお似合いかもな」

(ギリシャ神話でアンドロメダ姫は怪物の生け贄に、と波の打ち寄せる岩に縛り付けられていた所をペルセウスに助けられた。その後二人は結婚し、死後共に星座へと召し上げられた。)

あなたは『あったかい飲み物が好きな』徳川のことを妄想してみてください。
そろそろ寒さも深まってきて、飲み物もホットとアイスのどちらにするか悩む時期だ。
学内の自販機の前に突っ立ってそんな事を考えるの顔を、学ランに包まれた黒い腕が横切った。腕とは裏腹に白いその指は「あったか~い」と書かれたほうじ茶のボタンを押してまた後ろへと引っ込む。
「冷えるな」
白い手の持ち主の徳川はの隣にかがんで、落ちてきたほうじ茶のボトルを取り出しまた立ち上がった。
「急に腕が伸びてきたからびっくりした…」
「悪かったな。寒いから早く買いたかったんだ」
そう言って両手でボトルを持つ姿がなんだかかわいくておかしかった。

貴方は徳川で『お静かに』をお題にして140文字SSを書いてください。
高い場所にある本に手を伸ばそうとしたところを後ろから手が伸びる。
「これ?」
「あ、ありがとう」
取った本を差し出してくれるのは同じクラスの生徒だ。にやりと笑った彼は受け取ろうとしたの手を避けて本を掲げた。
「渡す前にお礼が欲しいなあ」
「…え?」
本を持っているのとは逆の方の手で肩を掴まれ本棚に背中を押し付けられる。
「ちょっとだけさ」
血走った目に背筋が冷えた。
「や、やめっ」
「うるせーな」
歪む口元がどんどんの顔に近づいてくる。叫ぼうかと思ったところで、急に肩の圧迫感が消えた。
彼の後ろに立っていたのは徳川君だった。安心に涙が出そうになる。
骨の軋む音が聞こえそうな強さで手首を掴む徳川君は見たこともないぐらい怖い顔をしていた。
「いっ、て…!徳川テメ、」
「図書館では、お静かに」
静かな声に鬼のような形相のコントラストがよく映えた。

あなたが徳川で書く本日の140字SSのお題は『身長差』です
「徳川くん結構背高いよね」
授業終わりに一緒に職員室へと向かう道すがら、ふと思ったことを口にした。
「まあそれなりにな」
と頭1つ分くらい違うかな?」
そう言うと徳川くんはぽす、と優しくの頭に手を置いて、その高さのまま手を自分の方へとスライドした。
「もう少しあるな。頭1つ半くらいか?」
自分の学ランの胸元へと当たる手を見やってからの方を向く顔はどこまでも平然としている。
じわじわと赤くなる顔を自覚しながら、他意の無いふれ方の方が余程心臓に悪いと知った。

徳川へのお題は『もう黙っていることに疲れてしまったんだ』です。
「どうしてお前はそうなんだ」
いつものように、今付き合っていてもうすぐ別れそうな彼氏のことを相談していただけなのに。
「いつもいつもそうやって付き合ってはすぐ別れて、何故すぐ隣にお前をいつまでも離さないと誓える男がいることに気付かない」
徳川の顔は歪んでいた。
涙は出ていなくても泣いているようなその表情に、見たことのない姿に、はただ狼狽えることしか出来ない。
「だって、徳川は今までずっと黙って聞いてくれてて、」
「もう疲れてしまったんだ。体の良い聞き役でいるのに」
苦しそうに呟く声はかすかに震えていた。
「お前が望むならなんだってしよう、だから、」
どうか俺を欲してくれ。
いつも毅然としている彼の懇願の言葉は囁くようで、の手を取りその手に頭をつける姿は許しを請うようだった。
徳川の両手は酷く冷たい。この人に温もりを分けたいと思う気持ちは、嘘ではないと信じたかった。

神室真司

貴方は神室真司で『つくづく敵わない』をお題にして140文字SSを書いてください。
「僕と君とじゃ何もかも違うんだ。分かり合えるわけない」
僕の言葉を彼女は黙って聞いていた。
本当は、変わるのが怖いんだ。もうこれ以上踏み込まれたら自分がどうなるのか想像もできなくて怖いんだ。でも素直にそう口にすることは出来なくて、違いすぎるなんて言い訳した。
「んー…難しいしよく分かんないけど、違うのっていけないことなの?」
「な、」
と神室が違うってことは知ってるよ。でもだから楽しいんじゃない?は神室と一緒にいるの好きだよ!神室は?」
真っ直ぐな笑顔に敵う言葉なんて持ってなくて、ただ僕は赤い顔で押し黙った。

鈴木将

貴方は鈴木将で『だいたいそんなかんじ』をお題にして140文字SSを書いてください。
「ドライブ行こうぜ!デートデート」
いそいそと助手席に乗り込むショウ君は酷く楽しそうだ。
が運転するんだからもうちょっと下手に出てよ…」
ぼやくのも聞かず、彼は早く!とまでのたまう。
「あっ今通り過ぎたとこ右」
「…ショウ君…」
いつもこんなだから笑ってしまう。

芹沢克也

冬の夢主と芹沢さん
「なんかもう最近家から出るのしんどくて…今日事務所来るのもめんどくさくて…ずっと布団にいたいです」
「えっそれ引きこもりになる兆候じゃないですか…?大丈夫ですか?」
「あなたが言います?」
「外に出るのが嫌なら俺から家に遊びに行くとか…」
「…意外と積極的ですね」

貴方は芹沢克也で『もっとアドリブで恋したい』をお題にして140文字SSを書いてください。
「何読んでるんですか?」
客の待ち時間用にだろうか、相談所に置いてあった雑誌の『彼女が喜ぶデートプラン』なんて記事を思わず真剣に読んでいた所を後ろから覗き込まれて固まった。
「…これ、もしかしての為にですか」
情けなくて言葉もなくただ頷く。
恋人をどんな所に連れて行けば喜ぶかなんて皆目分からない。
「すみません、全然自分では思いつかなくて…」
「芹沢さんとだったらなんでも楽しいですよ」
笑う彼女は女神に見えたけれど、自宅でゲームくらいしか思いつかなかったから、しばらくは雑誌に頼らないと難しそうだ。

島崎

あなたが島崎で書く本日の140字SSのお題は『逆さ十字(ターンクロス)の聖職者』です
「私を呼んだのは、貴方ですか?」
儀式で呼び出した悪魔は、不遜にも神父の格好をしていた。魔法陣の真中に立つ彼の胸元には銀色の逆十字が光っている。
頷くと、にこやかな顔つきの彼は更に笑いを深めて真っ黒に塗りつぶされた瞳を開いた。
さあ、共に復讐を始めようじゃないか。

(ファンタジーパロで!不敬に神父の格好してる悪魔島崎なんて良いなぁと)

貴方は島崎で『なんで怒らないの!』をお題にして140文字SSを書いてください。
「もう!なんで!?」
さっきからがワガママを言いまくっても全く怒らない島崎に、むしろが腹が立ってきた。死ぬほど理不尽だと思うけど、何を言っても嬉しそうにハイハイ言われてこなされるのもそれはそれで腹立たしいものだ。
「これ以上何を頼めば怒るの!」
「君からのお願いならなんでも嬉しいですよ。他の男より私を頼ってくれてるわけですからね」
「ばっ、バカじゃないの!?」
普段よりずっと甘い笑顔に頬が熱くなる。
「ああ、でも別れろってお願いは一生聞けませんね」
直後すっと真顔になる島崎に思わず背筋が伸びた。