モブサイキャラで読書週間

10月27日から読書週間だったので(気付けたのは喰種の日めくりカレンダーのおかげ)七日間モブサイ×読書(またはなんらかの本)でSSを書きました!

1日目 頭頂部150%テル×図書委員
貸出カウンターに置かれた本を思わずマジマジと見つめてしまった。
何、世界の髪々って。そんな本図書室にあったんだ。前を見ると有り得ない髪形の男の子が立っていた。
そっか…その髪形ならこんな本も借りるわな…
妙に納得したに彼は「早くお願いします」と怒ったように言った。

2日目 ショウ君とケツアゴゾンビ
読んでいた漫画に影が落ちる。
「お、ケツアゴゾンビじゃん!」
顔を上げると覗き込むショウ君と目が合って、にかっと笑いかけられた。
「面白れーよなそれ。明日新刊出るから一緒に買いにいこうぜ」
「う、うん」
「よっしゃ!」
心底嬉しそうに笑うから、もつられて笑った。

3日目 窓際の徳川
日も短くなった秋の夕方。窓際で本を読む徳川の姿は赤い西日に照らされて、どこか幻想的に見えた。思わず見惚れていると、ぱちりと目が合う。
「どうした、惚れ直したか?」
「うん」
素直にそう答えると徳川は面食らったように瞬きをして、深いため息をついた後笑った。
「降参だ」

4日目 霊幻と整体解説書
身の周りで妙な事が立て続けに起きるのが気になってやって来た「霊とか相談所」という事務所の本棚には、何故か整体やマッサージの本ばかりが並んでいる。
ここ本当に霊障について相談する所なんだろうか……
霊幻と名乗った男性の弟子なる人を待つ間、の疑心は深まるばかりだった。

5日目 峯岸さんと植物図鑑
任務終わりに人気のない本部に戻ると、机の上に置いてある植物図鑑が目を引いた。
「峯岸さんのだ…え、おっも」
置いていくなんて珍しい、と思いつつ分厚いそれを持ち上げると想像以上の重さに驚いた。
小柄に見えるけれど、あの人いつもこんな重い本を軽々片手で持ってたんだ。
鼻を寄せるといつも峯岸さんからする植物の青々しい匂いがした。いつも持ち歩いてるんだから、同じ匂いがするのも当たり前かもしれない。そう思うとなんだか愛しくなって、毒草の描かれた表紙を手で優しくなぞってしまう。突き動かす衝動のまま、その表紙に軽く口付けた。
「何してるの」
突然部屋に響く声に風を切るような速さで振り向くと、色白の肌を紅潮させた峯岸さんが目に入って思考が停止した。
「…それ、僕のでしょ」
「あ、す、すいま、」
動揺しすぎて上手く喋れないの元に歩み寄ってきて、峯岸さんはの手の中の本を掴んだ。
手の中の本が取り上げられる。死にたい気分になりながらも、こちらを見る瞳に軽蔑や嫌悪が含まれていない事に心底安心した。
固まったままのの方を向いて、峯岸さんは深いため息をつく。
「君も大胆なんだか奥手なんだかよく分かんないな。本じゃなくて僕にキスしたらどうなんだ」

6日目 神室と参考書
「これ、この前言ってたの」
「あー!ありがとう!」
差し出される神室の手にあるのは分厚い本だ。ある参考書がちょっと高くて買うか迷っていると話したところ、彼は偶然それを持っていて貸してくれる事になったのだ。
手渡されたそれはヨレヨレで、付箋がいっぱいついている。
受け取って思わずまじまじと見つめてしまった。もっと、小奇麗な状態のものをイメージしていたから。明らかに読み込まれて使い込まれた様子に驚いたのだ。
この人、本当に努力家なんだなあ。
「あんまり綺麗じゃなくてごめん」なんてへらりと笑う姿が酷く愛おしく見えた。

最終日 モブ君と交換日記
1週間に1度隣のクラスの子から手渡されるB5のノートが最近の僕の楽しみだ。
「毎回、話したいことが書ききれなくて困っちゃう」
ちょっと照れたように笑う彼女に僕も嬉しくなった。
僕もだよ。僕も、何か起きるとすぐ君の顔が浮かんで交換日記に書かなきゃ、って思っちゃうんだ。

峯岸と神室は140字以上になってしまいましたが、とっても楽しかったです^^