弱虫ペダルSSログ1

今泉俊輔/鳴子章吉/福富寿一/新開隼人/黒田雪成
※追加中

今泉俊輔

貴方は今泉俊輔で『どうにかなってしまいそう』をお題にして140文字SSを書いてください。
なあ、俺のことだけ見ててほしいって言ったら怒るか。悲しむか。気持ち悪がるか。
俺のこと好きでいてくれるのは分かってるのに、それでもお前が他の奴と喋ってると不安でたまらなくなるんだ。
「俊輔くん、どうしたの?」
それで、そんなことを打ち明ける勇気も持たないぐらいに弱いんだ、俺は。

鳴子章吉

貴方は鳴子章吉で『ちょっと黙って』をお題にして140文字SSを書いてください。
「マネージャーに聞いたんやけど好きな男おるってホンマ!?」
音を立てて机に手をつく鳴子に瞠目する。
「どんな奴か知らんけど他にもっとええ男おるで!例えば」
熱くなる内に段々と近づく顔を、制服の襟を掴んで引き寄せた。
「ワイと」
か、と発しきるうちに触れた唇で答えが分かったはずだ。

福富寿一

貴方は福富寿一で『隣の人』をお題にして140文字SSを書いてください。
福富くんが隣だと、授業中居眠りできない。席替えをして一番強く思ったことだ。
とにかく真面目な人だ。寝たらすごく怒られそう。そう思ってたのに
「……眠いのか?お前を見てるとこっちまで眠くなりそうだ」
小声でそう言ってを見る目がびっくりするぐらい優しくて、眠気なんて吹き飛んだ。

あなたは『周期的に全力で人を甘やかしたくなる』福富寿一のことを妄想してみてください。
久々に来たか。綺麗に皮の剥かれたリンゴが数切れ並ぶ皿を見て、そう思った。
「遠慮せずに食べろ」
いつもと変わらない無表情でそう勧めてくるのは剥いてくれた張本人である福富君だ。
なんだかよく分からないけど、彼は時々こうしてに手ずからリンゴを剥いてくれる。趣味なのかもしれない。

(リンゴを剥いて切ってくれるというのが福富寿一流の甘やかし方なのでは?という謎の結論に達しました…
福富が誰かのために何かしてあげる、っての相当な甘やかしだと思う)

あなたが福富寿一で書く本日の140字SSのお題は『情けは人の為ならず』です
「ちょっと休憩したいなー、なんて…」
勉強を教えてもらいたいと自分から福富君に頼んでおきながら、そのあまりのスパルタぶりにへこたれそうになる。
「ダメだ」
「ですよね…」
へへ、なんて笑いながら恐る恐る言った言葉はにべもなく却下されて、ため息をついた。
「お前がどうでも良ければ休憩でもなんでもさせるがな。お前の成績を思って厳しくしてるんだ」
「うう…そうだよね…頑張ります」
全くもって彼の言う通りだ。
「福富君は親切だよね、みたいな不真面目な生徒に」
笑ってそう言ったら感情の読めない目を向けられた。
「情けは人の為ならずと言うだろう。俺にもいつかお前に礼をしてもらえればいいなんて下心があるから気にするな」
テスト後は期待している、なんていつもの仏頂面で言われて、思わずシャーペンを落とした。

新開隼人

貴方は新開隼人で『新婚ごっこ』をお題にして140文字SSを書いてください。
「やっぱエプロンっていいよな」
作ってるところから見たい、との要望に応えてキッチンでケーキを作っていたに隼人が言う。
「別にフリフリエプロンじゃないよ?」
「んー、夫婦みたいだなって。というか俺今日で18だしさ、結婚できるよ」
思いの外真剣な顔で言うから、ボウルを落としかけた。

(誕生日おめでとうでした!)

黒田雪成

荒北のことが好きな女の子のことが好きな黒田君

 たとえば、荒北さんはちょっとわがままでめんどくさいような女子の方がタイプなこととか、ふんわりした子よりはキツめの性格の方が好きなのとか、そういった一つ一つのことを知って、馬鹿なあの人はちょっとずつ、ちょっとずつ傷ついた顔をする。
 部活が終わった後、部員たちの洗濯物を干しながら。その日の日誌をつけながら。帰る支度をしながら。荒北さんと他の三年が他愛もない話をする横で、あの人は穏やかに笑いながら、ほんの少し目の奥に痛みを見せる。端から見ている俺だけがそれに気づいて、心底つまらない気分になる。
 そんな痛みを耐えた顔をするんならさっさと諦めればいいのに。アンタみたいなちょっと鈍くて、ちょっと緩くて、優しいおっとりした人は荒北さんとは合わないんだから。俺だったら、アンタの穏やかに笑う顔がかわいいって、心からそう言うのに。ワガママなんかとは程遠くて、言いたいことも時々言えなくなってしまうアンタに、いつまでも付き合うのに。そのままのアンタが一番なんだって、そう伝えるのに。

「だから、俺にすればいいんですよ」

 泣いてないで、俺のことを好きになれ。