第五人格SSログ1
オフェンス
貴方はオフェンスで『君とならできる』をお題にして140文字SSを書いてください
「いつか荘園から出られるのかな」
ゲートを出た後、思わずそんな言葉が口をついて出た。どうせ今回助かってもまたすぐに次のマッチが始まる。きりがない。
「出られるのかなじゃねーだろ。出るんだよ」
怒ったような口調にハッとして頭を上げる。彼は真っ直ぐにを見ていた。
「一緒に出るんだよ」
お題:140文字で書くお題ったーより
貴方はオフェンスで『大人しく降参して』をお題にして140文字SSを書いてください。
見上げられるのは心地が良い。その目が屈辱と怒りに燃えていれば、尚更。
目の前に座るユニフォーム姿の男は茨に身体の自由を奪われ、悔しそうにをにらむ。その釦の色に恍惚としてしまうのはこの身の性だろう。いつもの勝気な笑顔よりよっぽど良い。
固まった血のついた顎をくいと上げて、厚いくちびるを撫でた。
ねえほら、いい加減に諦めなさいよ。
お題:140文字で書くお題ったーより
探鉱者
貴方はノートン・キャンベルで『言い訳はバッチリさ』をお題にして140文字SSを書いてください。
「行方不明になったと言おう」
鼻歌でも歌いそうな調子だった。
「俺は1人、ハッチから出た。君は何故か他の参加者のようにマッチ後館に戻ってくることはなくて、必死に探したけど見つからなかった。完璧だ」
磁石でを自分に縛り付け、彼は笑った。
「きっと皆信じるさ。俺は真面目だから」
お題:140文字で書くお題ったーより
猿轡を填めひっそり運んで部屋に監禁コース!
貴方は探鉱者で『隣との距離』をお題にして140文字SSを書いてください。
「……あのさあ」
こちらを向く瞳は水底から掬った泥の色をしている。視線のまとわりつくさまもおんなじだ。
「ん?」
「……近くない?」
昼食の席、隣に座るノートンはのぴったり横に席をつけて頬杖をついている。
「ああ、男ばっかのとこでギュウギュウになって働いてたから」
ごめん、って笑うなら離れてよ!
お題:140文字で書くお題ったーより
白黒無常
レクイエム無常でギャンブルネタツイート
無常にイカサマされていることにも気づかず負けこんで借金をその身で返すことになる馬鹿な女の子も可愛いけど、単純に頭と記憶力がめちゃくちゃ良い夢主が真っ当に勝ちまくってたところを目付けられて一部のVIPしかプレイできない無常が親の卓に招待されるのもいい。
無常2人(と誰かあと1人)とポーカーすることになって最初の内は順調だったものの、途中から明らかに白黒が組んでイカサマしてる事に気づく。でもそのタネが見抜けず苛々しながらも夢主はプレイを続けて遂に決定的な証拠を掴めないまま最終ゲームに負けてしまい、膨大な負け金を「体で返せ」って2人に迫られるのとかもいいなって……
カジノの裏にある事務所のソファに転がされながらも「このクソ野郎、プライドってもんは無いわけ? 博打打ちの風上にも置けない」って睨みつけて言葉を吐いたら「貴女は賭けの腕は良いがあんまりにも初心ですねえ、かわいらしい。私も彼も、欲しい物はどんな手を使っても手に入れる主義なんです」ってクスクス笑いながら白に言ってほしい……
勝つ度に見せてた自信満々で勝気な笑顔を奥の卓にいる2人に見られた時から「この女を絶対手に入れてやる、そしてその何も怖いものなどないという笑顔を崩してぐちゃぐちゃにしてやりたい」って思われていたのよ……目立ったのが運の尽きだったね……
無常さんは『風邪を理由に』をお題に、140字でSSを書いてください。
部屋に置いている少女が風邪を引いた。元より体温の高い身体は、今や辣妹──湯たんぽのようだ。
「生きてるんですねえ」
改めて思ったことを口にすると少女は赤い顔を歪める。
「なん、ですかそれ」
「熱いな、と。私と違ってね」
温度を失くした手をそっと頬に添えた。
「熱冷ましに使ってください」
お題:140文字で綴るSS小説お題より
貴方は白無常で『無防備すぎるのが悪い!』をお題にして140文字SSを書いてください。
珍しく、無常さんは優しくしてくれる気らしい。
が解読するのについてきて、時々後ろを振り返るときれいに長い髪を揺らして優雅に微笑む。
全てを解読し終えるとサイレンが鳴り響いた。お礼を言おうと暗号機へとかがんだ姿勢から身体を起こす。
「無常さん、ありがっひゃあ!?」
急にうなじへと冷たい感触がして飛び上がる。慌てて振り返ると無常さんは唇を舐めてにっこりと笑っていた。
「いやね、貴方があんまりにも安心して細い首を見せるものだから」
お題:140文字で書くお題ったーより
よく分かんない話の途中の切り抜きみたいなやつ 転生的な何か
「私ね、私達はねえ、貴方に殺されたかったんですよ」
胎を燃やしていた筈のアルコールが、まるで氷へと変わったようだった。
「……の記憶が正しければ、逆のことが起きたと思ったんだけど」
胡乱げな視線を向けたは悪くないはずだ。確かには、前世でこの隣に座って白酒を茶のような勢いで煽る男によって殺されたのだ。いや、とどめを刺したのは彼の相棒の方だったっけ。私怨だとかそういうのではなく、お互いの役割を全うしたまでのことだけれど。
色々あって、生まれ変わって、前世では敵陣営にいた存在と再会した。
荘園では白黒無常という名で通っていたこの鬼は、謝必安という名前だったらしい。この場に居ない片割れは茫無咎。かくいうもあの閉ざされた場所では役職名を名乗っていた。
「まあ、私達はもう死んでいたので。体が“ああ”なってから改めて死ぬ方法も分からなかったですし」
普通の人間と同じになっている筈の目が、光の反射でか一色に塗りつぶされたように見える。もう幽鬼ではないはずの男は、カウンターに頬杖をついての顔を覗き込んだ。
「貴方に己を刻みたかったんです。私達を殺せば一生その事実に付き纏われるでしょう。 重いんですよ、生き死にってのは。惚れた腫れたよりね」
「はあ」
「恋が愛に変わるならばまた話は別ですけれどね。けれどそうなるかも分からなかったから、代わりに一生消えない十字架を背負うことで私達をずっと覚えていてほしかった」
飄々とした語り口がかえって不気味だった。天気の話をするみたいな顔をしている。そういえば、今でもあの傘は持ち歩いているのだろうか。もう相棒の魂が入っているわけでもないのだし必要ないか。
「でもそれができなかったので、代わりに貴方を殺しました」
せめて最後に、私達に強い感情を抱いて死んでほしかった。そう呟く男を横目で見て、はもう一口酒を飲んだ。せっかくの美味しい酒が変なことを言う変な男のせいで味もよく分からない。
「なので、今生であれば貴方に殺してもらうのも吝かではないのですが。もちろん無咎と一緒にですよ」
「黒無常に許可とってあるの?」
「そりゃもちろん。許可というか二人で決めたことですし」
「……それ、今でもが好きってこと?」
「は? ああ、ええ。そりゃそうでしょう」
ならこの世では付き合ってって言えばいいのに。殺してとか殺したいじゃなくて。重いくせに変なところで不器用な奴。
こちらからそう言うのもなんだか癪で、ただ目の前にある皿のナッツを黙って口に運んだ。
船頭無常
「おはようございます」
はじめまして、ではないのだな、とぼんやり思った。
「はじめましてというのは、この先も縁がある方に向けての言葉ですから。この機会が最初で最後である私たちには、そぐわない言葉だ」
そのまま口にした疑問には非常に明確でわかりやすい説明が返ってきて、はなるほどと納得する。頷くを凪いだ目で見る男の人は、綺麗な髪をきつく結んでいた。
「では、行きましょうか」
伸ばされた手を掴むと、どこかふわりと浮くような心地がする。身体ではない。なにか、己の奥深くにあるだいじな、ちっぽけななにかが、それまで鎖で繋がれていた場所から自由になったような。
引き上げられた船の床は少し湿っている。ひやりとした温度が足の裏に伝わって、そこで初めて自分が裸足だったことに気づいた。
───雨が降っている。目覚めたばかりの瞳で曇り空を映して、独りごちた。
船頭をしている無常の話を書いているのですが、きちんと短編にできるか分からないのでとりあえず書けたところまで載せておきます
リッパー
気まぐれにサバイバーを逃がすリッパーの持論展開
定義というものはね、追求しすぎると崩壊するんですよ。
色を例にとってみればいい。試してみたらどうでしょう。白とは? 黒とは?
白は……色だ。どんな色だ? 黒より白い色だ。黒は……白より黒い色。こんなの、説明になってもいない。なら、色というものはなんなんだ? ……ほら、おかしくなるでしょう。
理念ってものもそうだ。純粋化した理念は崩れていくんだ。
私の手についているこの長くて鋭い、これを貴方はなんと呼ぶ? 鋏だろうか。刃物だろうか。鋏とはつまり、なんだろう?
貴方を切り裂くものかもしれない。はたまた、そうでないかもしれない。ただ霧の中で鈍く輝くだけかもしれない。もしかすると、それだけでは済まないかもしれない。
果たして私は、霧の都を恐怖に陥れたジャック・ザ・リッパーか? リッパーとは、なんだ? 殺人鬼のことだろう。殺人鬼とは? 人を殺す者だ。殺すとは? 人の命を奪うことだ。命を奪うとは? 生命とは? 生と死の、その境界とは?
貴方にも分かってきたでしょう。純粋化した理念や定義はね、磨き上げられた己が純粋さに耐えられず自壊するのですよ。
つまり、何が言いたいかというとだ。こうしてこの場に存在するリッパーという私は“殺人鬼の概念そのものに限りなく近い”が、“そのもの”ではないのです。それだけだと崩壊するんですよ。自滅する狩人なんて、スマートじゃないでしょう。たまにはね、言うならば──不純物を取り入れようかと思うのです。
「……それがを見逃す理由?」
まあ、そうなりますね。貴方は私の中の、追求しすぎない……そうですね、心の“あそび”部分に助けられたことになるでしょう。
私がそうして定義を探している時には、貴方をまた見逃すということもあるかもしれませんね。そう考えると、なかなかに楽しいものだ。貴方はこれからも、私に生かされたことを幾度となく思い出すでしょうから。この邂逅の意味は? そこに潜む真理とは? 突き詰めない方が、幸福かもしれませんね。……どちらにとってかは、言わないでおきましょう。
それではまた、霧の深い夜にお会いしたいものです。
貴方はリッパーで『惚気はいいので、用件を』をお題にして140文字SSを書いてください。
ああ、ルキノ教授。ちょうどよかった、あなたを探していたんですよ。少し話を聞いてくれますか。私のあの子、いるでしょう。可愛いパピーだ。今日も本当に愛らしくて、朝のキスをしたときの顔なんて写真家にフィルムに収めてほしかったくらいですよ。もちろん撮ったとしても他の者に見せる気はありませんがね。あっ、待って! まだ話の途中だ! 実を言うとあの子が──
お題:140文字で書くお題ったーより
曲芸師
貴方は曲芸師で『ぐっない、良い夢を』をお題にして140文字SSを書いてください。
マイクからは温かい匂いがする。匂いを温度で表現するなんて変かもしれないけれど、それでもやっぱり温かく感じる。皆から慕われるのに慣れている人の匂いだ。その気持ちを、ありがとうって素敵な笑顔で受け取るのが得意な人の匂いだ。
布団の中でマイクにぎゅっと抱きしめられると、その匂いに包まれてひどく安心する。
「おやすみ」
額に落とされるキスは柔くて甘い。
優しい夢が見られる気がした。
お題:140文字で書くお題ったーより